全国的に保育所(園)にとっては人員不足が大きな課題と良く耳にします。
ここ那覇市においても、保育園の建物は作ったものの、保育士さんがいないと言う課題がしばしば挙げられます。そのために子どもを預かることができないので「定員割れ」になります。
子どもの対応するには、0歳時3人に対し保育士1人、1歳・2歳児6人に対し1人、3歳時は15人に1人、4歳・5歳児は30人に1人と言うことで、配置人数が定められています。
しかし、考えてみてください。生まれたばかりのお子さんを3人も同時に面倒を見る事、4歳・5歳の活発な子どもたちを本当に30人も1人で相手ができるか?非常に難しいと思います。なので、各保育園はそれぞれ配置基準以上の保育士さんを採用します。
その上、我々は労働基準法により通常は1日8時間労働となっています。それに加えて保育園への送迎時間、それぞれの出勤時間や残業をすることも考えると、保育園の開園時間は8時間では足りず、11時間ということになっています。
と言う事は、単純に計算しても配置×1.5人の手配が必要になるわけです。それに加えて、有給や各職員の都合上のお休みもありますのでそれ以上になります。
しかし、様々な理由があると思いますが、これまでは国の基準はなかなか変わらず各保育園の努力によって、何とか保育が保たれてきたと言うのが現状ではないでしょうか。
今後、多くの子育て世代が活躍をするためには保育園やそこで働く保育士の環境を整える事は非常に大事だと思います。また、ゆとりのある配置基準で保育や児童教育を行えば、子どもたちにも安全で安心できる質の高いものになると思います。
特に、那覇市は周辺の自治体に比べると保育士採用が厳しいと言われます。具体例として、待機児童が多いので保育士の数が必要なのですが、その上に土地が狭く、駐車場が少なく中心市街地になればなるほど、高額ため、保育園でその確保がなかなかできない、職員に自己負担があると言うことで敬遠されると言うお話も伺っています。ちなみに豊見城市では住宅の補助が充実しているために、他市町村から保育士さんが移籍してくるそうです。
那覇市や糸満市の保育園からはそれぞれの自治体で何とか同様の補助ができないかとの声がありました。
保育に直接関わるのは各市町村ですが、このようなアンバランスを是正していくのは県の役割だと思います。加えて、配置基準の変更など国の制度変更を必要とすることも多々あるので、市町村、県、国の連携を緊密にしていきたいと思います。
子どもの教育環境、子育ての環境を整えることが少子化の改善にもつながることはわかっているはずです。今後、政府としても「こども庁」の設置などでこのあたりの議論が早期にでてくることを望みます。
※保育園長さんたちとの意見交換の様子