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部活の地域移行について

沖縄県では教員の不足が非常に問題となっています。特にこの2月定例会前に報道にもかなりの掲載があったことで議会質問でも活発に議論されています。正規採用が少なく臨時任用職員の比率が高いという課題もあります。精神疾患での休職者も全国一多い状況です。朝も早くから夕方、児童生徒が帰っても学校に残る先生方もいます。部活動の顧問も負担になっているとの話もあります。

中学校の部活動で指導を担当する教員は、平日朝から授業を行い、放課後に部活動の指導も兼務すると当然ながら長時間労働となります。休日でも練習や大会などへの引率は教員にとって負担が大きいものとなっていました。教員の負担軽減、働き方改革の一貫として部活動の地域移行が始まりました。(運動部活動の地域移行について スポーツ庁地域スポーツ課 令和4年7月)

2022年6月スポーツ庁の有識者会議での「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言」には目指す姿や改革の方向性が提示され、2023年度から3年間を「改革推進期間」とし、今後地域移行の準備が進められる予定です。これは公立中学校における休日の運動部の部活動を外部に移行する部活動改革の1つです。移行先は地域のスポーツクラブや民間企業、スポーツ少年団などが見込まれます。現在は運動部の地域移行が進められる予定ですが、今後、文化系の部活動においても運動部と同様の地域移行が行われると見込まれています。

出生数の低下(2022年は80万人を下回る急激な少子化)もあり、なかなか一つの学校でチームを作れない競技も増えてきました。移行先では複数の中学校で集まることが可能となります。ただし、生徒数が多い少ないでも保護者の考えは変わります。合同チームを作らなくても各学校で活動ができるのであれば問題ない。しかし、生徒の少ない学校では競技を選ぶこともできないので、隣接校へと進学する中学生もいるわけです。

しかし、11月に出た指針案では当初の2025年としていた達成時期を設定しないことが記載されたので、まだまだ先行きが見えないと言うところです。

少子化対策と教員の働き方改革の2つの大きな目的がこの部活動の地域移行にはあります。教員の部活による負担を減らし、本来の教育に集中できるようになるのがメリットとして挙げられます。しかし、もちろんメリットもあればデメリットもあります。

部活動は、教員が指導をしていたため、保護者の金銭的負担は最小限で済んでいました。しかし地域移行が進むと、地域のスポーツクラブや民間企業などへの会費や指導料など月謝の支払いが必要となってきます。生徒の送迎も必要となった場合は、送迎の手間がかかる可能性もあり、金銭的または時間的な保護者の負担が増えるかもしれませんので、経済状況が原因で参加できなくなる生徒が増えることの格差が生まれる懸念もあります。

指導人材確保も大きな課題の一つです。競技の種類によっても人材確保に関わる状況は大きく変わり、地域内で適切な人材が見つからないこともありえます。競技内容や居住地域によっては参加機会の格差が生じる可能性もあります。私は中学から剣道部に入部し現在も続けております。部活動を通して出会ったスポーツ・武道・文化系の活動など部活動は本当に多くの方々との出会いや、様々な知識・知恵、忍耐、やり抜く力などを与え てくれました。学校教育の中でも非常に大きな役割を担ってきたのではないでしょうか。その恩返しをしたく私も過去に剣道の外部指導者として携わったことがありますが、時間の調整が難しかった記憶があります。

移行のさなかではありますが、指導者の件で以下のような記事も上がっていました。

各自治体の報告書でも、課題が浮かび上がった。山形県の鮭川村立鮭川中では、野球部など三つの部活で休日の活動を地域移行した。指導者は地域指導者3人と教員2人が担当。課題を指摘する意見として、「(一部を教員が担っているため)部活動の延長と捉えている生徒・保護者が多い」「大会要項に教員の引率が参加条件として記載されているものがある」などがあった。

鳥取県境港市の報告書は、指導者の確保が大きな課題だとした。毎週時間がとれて、青少年の健全育成につながる指導ができる指導者はそう多くないと指摘。現職の教員が休日の指導員を担当する形を「とらざるを得ないのが実情」だとした。

石川県能美市の報告書は「教員がいないと使用できない学校施設がある」とし、場所の確保を課題として挙げた。栃木県矢板市の報告書は「生徒指導・安全管理面で教員の力が必要になる場面がどうしてもあり、教員が離れきれない」と指摘した。

県内でも様々な理由で部活動の地域移行について沖縄県内でも議論が進まないという話は聞いています。保護者からも「報道を通して何となく聞いているが、学校からの細かい説明はない」部活動改革、特に地域移行に対する理解は進んでいないとの声があります。

そんな中、県内どころか全国の中でも「うるま市」が地域スポーツクラブの運営をする民間企業(スポーツデータバンク社)と組んで先端を行っています。

「未来のブカツ」 サービス業としての地域スポーツクラブ創出事業(経済産業省 METI Journal ONLINE)

うるま市の嘉手苅教育庁はリンク先で以下のようにお話をしています

「体育施設はもちろん、学校の施設を活用して、例えば、音楽室でピアノ教室を開く、家庭科室で料理教室を開く。学校の施設を民間に開放して、運用することも将来は考えていきたい」

「部活動が変われば部活動が行われている学校の施設のあり方も多様化していいのでは」

と、さらに学校体育施設の有効活用も含めた地域活性化「総合型放課後サービスの展開」も模索しているようです。

また、民間企業の社長からは以下のような話もありました。

「少子高齢化が進めば、財政負担も考慮した上で、学校と公共施設を敢えてすみわけず、お互いに有効利用することを考えるべき時期がくるかもし れない。教育現場(学校)に最新の設備を導入して、それを地域に開放して共有するという発想もあるのでは」

海外では学校施設を民間が所有して昼間だけ学校に貸し出し、その後は民間活用をしているケースもあるようです。少し話はズレますが、県外ではプールを整備せず、民間のスイミングスクールで授業を行うことで「プロに指導してもらう授業」ということも行っています。体育の中の水泳専科として特化した授業を行えるようになれば先生方の負担も減ります。いつも顔を合わせる学校の先生以外に学校外の専門家が関わることは子どもたちにとっても良い影響が出るのではないでしょうか。

財政面でも企業版ふるさと納税を基金として活用した事例として日経新聞にもとりあげられていました。(部活改革で先行 沖縄県うるま市、元プロやふるさと納税 日本経済新聞2023年1月20日 11:00)

国が打ち出した部活動の「地域移行」の先進事例として、沖縄県うるま市の取り組みが注目されている。民間企業と連携して元プロ選手らを指導者に迎え入れるほか、事業の財源には法人が自治体に寄付する企業版ふるさと納税を活用する。教師の負担軽減から始まった同市の試みは、スポーツによる地域活性化へのチャレンジでもある。

また、部活動の地域移行を行うことで、スポーツや文化活動を継ぎ目のない形で継続することもできます。加えて地域移行が部活動だけではなく、活動する競技などに親しむ環境として整備されれば大人になっても体験することができるようになり、地域の人たちとの結びつきが強まるのではないかと思います。いわゆる生涯スポーツです。幼い頃から様々な運動や文化活動に関わる体験をすることで、その子どもたちの活躍できる幅や可能性を高めることにも繋がります。

学校教員の働き方改革という命題も加わって、この流れは止まることはないと思いますが、先述のように、まだ考え方が浸透しない段階ですので、今後の理解を広げ深めていくことはとても重要です。まだ行政改革を行える部分は多くありますので、できるだけ負担を減らし、最も効果の高い仕組みづくりのためにも皆様からもご意見を賜りますようお願いいたします。

しかし、部活動の地域移行の記事がなぜ経産省なんだろう??

令和5年(2023年)元旦 「絞」る年

昨年はロシアのウクライナ侵攻や安倍元総理の銃撃殺害など暴力的な事件が目を引きました。
また、世界的な資源高・物価の高騰によるエネルギー原価が上がり年末には各電力会社の値上げなどが発表されるなど、我々の生活にも大きな影響が感じられます。
そんな荒れた令和4年(2022年)ではなかったでしょうか。

そして本日、令和5年(2023年)あけましておめでとうございます。

久々に祖父の大島紬の着物を仕立て直した和装で出かけました。
少し反物の幅が狭く袖が短めですが、とても気に入っています。
ちなみに妻の着ているのは同じく私の祖母の大島紬の着物を仕立て直したものです。
世代を経ても使うことのできる良いものを残してくれた祖父、祖母に感謝です。

大島紬について以下、中川政七商店のサイトから

大島紬は、鹿児島県南方にある奄美群島の織物。絹100%、織る前に糸を染める先染めを行い、手織りの平織りで、絣合わせをして織上げたものは「本場大島紬」の名で伝統工芸品に指定されている。深い黒に加え、緻密な染めと織りの技術で知られる、日本が誇る絹織物の最高峰のひとつである。

優雅な光沢を持ち、しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴がある。手紡ぎの糸を、「テーチ木」(シャリンバイ)という奄美エリアに生息する植物の煎汁液と、鉄分を含む泥土でこげ茶色に発色させ、手織りする伝統的技法がとられている。

はじめはくず繭や真綿などを紡いだ糸で作られていたが、生産拡大の中で大正年間にはほぼ全ての製品が絹糸で作られるようになった。

沖縄の伝統工芸の品もそうですが、作るのに膨大な時間と手間がかかること、継承者が減少していること量産できないことが思いがけずに
その価値を高めている理由があると言えます。しかし、その後ろには購買することのできる層が十分にいるのか?また継承する人が生活できるのか?などの課題もあると思われます。この点についてはまた後日取り上げたいと思います。
さておき、今朝は自民党沖縄県第一選挙区支部の恒例元旦遊説で那覇市内に新年のご挨拶に伺いました。
午後は波上宮にお参り…予定でしたが、あまりの行列の長さに断念して後日へ変更。
そのまま久米の千日でぜんざいをいただき帰宅。
進学で京都に住む息子から「休みも長くないから年末年始は帰省しない、送った荷物が元旦に届く」と連絡があり、その荷物が届いていました。荷の中に豆政さんの夷川五色豆が入ってました。
お正月に明るい色彩が素敵でした。沖縄にもこのような商品があるといいなと感じます。

今年の目標の一文字は「絞」るです。

コロナになり、当初のなかなか運動できなかった期間がそのままズルズルと続き、2022年は4kg増でした。
最近お会いした方にも「貫禄ついたね」やストレートに「太ったね」と言われることがしばしば…
今年は年男で48歳を迎えます。50歳も目前です。
健康であることが、議員活動できる基本的なことであると今朝ご一緒した久高友弘議長もお話しされていました。そこで今年は身体を「絞」ることを一つ目の目標として掲げました(と言ってるそばからぜんざい食べてる写真かい!と突っ込むかたもいるかもしれませんが、汗)
二つ目の意味合いには、冒頭に記載したように世界的な流れの中で、また地域独特の多くの課題問題があります。その課題問題に対していろんな人の力を借りて、知恵を「絞」って取り組んでいき、より良い沖縄県を目指すとの想いを込めています。

本年も皆様のお力添えとご助言をどうぞよろしくお願いします。

飲酒運転根絶キャンペーン

 12月1日(木)の夕方、パレットくもじ前で那覇署による飲酒運転根絶キャンペーンが開催されました。私も城西小学校地区の交通安全指導員ということで、参加させていただきました。その際にお話があったのが今年(令和4年)になり735件の飲酒運転での検挙がなされたということです。つまり1日あたり2名以上が何かのきっかけで警察のお世話になっているのです。これから忘年会・新年会シーズンとなることから毎年12月にはこのようなキャンペーンで啓発をおこなっています。 

令和3年には1189件と人口1000人あたりの件数は0.86件!全国平均0.16件の5.4倍と非常に高い件数となっています。うち4割は自分がお酒を飲んでいるということを自覚して、運転するつもりで飲んだ人が検挙されているということです。

添付の写真は沖縄県警作成の飲酒運転根絶マニュアルより抜粋です。

これは沖縄県民の生活様式が大きく関わっているとも言われています。新型コロナの感染拡大による自粛期間などがあり少し減ってはいますが、模合などで飲酒する機会が多いこともその一因であるようです。

また、県外では電車などの公共交通機関による移動が非常に少ない状況であることも影響しています。

沖縄県の資料によると公共交通機関利用率は3.2%です。モノレールができたことで、公共交通利用のイメージが上がったという話も聞きますが、沿線以外の方にはあまり影響がないと考えられます。146万人の人口の中で車両保有台数が114万台ということなので、一家に1台どころではありません。私もそうですが、家から職場まで車での移動をしている方々も多いです。そのため令和3年の検挙された時間帯で1番多い時間帯が午前6時~10時の出勤時間帯におよそ3割を占めています。そして20~50代が80%ということも驚きではないでしょうか。

県外なら電車通勤・バス通勤をするところが自家用車の運転をせざる得ないことが問題です。

飲酒絡みの人身事故構成率(1.8%)・死亡事故に占める飲酒絡みの率も全国ワースト(16%)ということで、どちらも平均の2.3倍となっています。 飲酒運転で検挙されると非常に大きな代償を支払うことになります。

①経済面での代償

②生活面での代償

③時間面での代償

と大きく3つの括りとな りますが、罰金は100万円を求められ、死亡事故を起こした際には懲役20年!職を失うこともあります。普段の生活でも特に車社会の沖縄県では車を運転できないため行動範囲の制限かかります。ということは仕事の範囲も狭まります、その後の再取得にも自動車教習所へ通うための時間とお金がかかります。

平成21年には県でも沖縄県飲酒運転根絶条例を制定しており、非常に大きな問題であると捉えています。多くの企業でも取り組みがなされるようになってきています。県民それぞれの気持ちを引き締め「飲酒運転をしない、させない、許さない」ということが重要ではありますが、それに加えて日頃から公共交通機関での移動がしやすい環境を作ることは行政として求められるのではないかと感じています。

モノレールの延伸、バス・タクシー利用のしやすい環境づくり、Uberなどの新しい(?)公共交通の導入などなど今後の人口減少にも則した交通政策は我々の日常生活の利便性を高めていきます。その点についても様々なご意見をいただきますようお願いいたします。

南北大東村へ行ってきました。

 

11月19日(土)から21日(月)と南北大東村へ視察へ行ってまいりました。那覇空港から飛行機で約1時間ほど340Km離れた場所にあります。二つの島は 9Kmほどしか離れていませんが、その間には1500~2000mと言われる深い海があります。

まいにちおきなわサイトから

火山として誕生し、その後サンゴ礁が積み重なってできた島で、砂浜もなく、 外海の深い青が広がっています。沖縄県の中でもリゾートというイメージの無い島です。位置的に台風の通り道となっており波の高い時期には船もなかなか出ないので島の物品が品薄になり高値になるとニュースでもよく取り上げられています。

琉球新報 レタス1玉1350円

主な産業は農業(北大東島観光ナビより特産品・名物)、すなわちサトウキビです。ジャガイモやカボチャなどの生産をしている農家もいますが、台風の影響や水不足などを考えるとキビが主体になるとのことでした。南北大東島にはそれぞれに分蜜糖の製糖工場があります。およそ北400ha、南1200haわれるキビ畑があります。そこから製糖し、国内で製造される砂糖の原材料として島から輸出しています。ちなみにサトウキビには生産交付金という補助があります。トンあたり16,860円です。そこに糖度によって変動する売価と合わせて農家の収入となります。生産交付金についてはまたの機会にします。

船が出ない時には、島から物を運ぶこともままならないこともありますので、足のはやい農作物などは輸送に向いていないため、製糖は島の経済を支える非常に太い柱です。農業と製糖は両輪と言われています。しかし、製糖工場が老朽化しており、建て替えに苦慮しているということでした。北大東製糖ウェブサイト大東糖業Facebookページ

県内にある含蜜糖(黒糖)工場は一括交付金による建替えを行いましたが、分蜜糖工場は適応されておらず、各地ともに建て替えに苦慮しているようです。

特に遠隔離島での工事の資材は輸送運賃が加わるために本島と比べると非常に高くなり生コンでは3倍という価格になるようです。これは企業はもちろんのこと、一般の住宅に対しても同様で、島の出身者が戻りたくても住宅事情が悪いことがその障壁となります。

そのために、コンテナハウスなどで社宅を用意している会社もあります。

公(村)営住宅に住み始めた時は家賃が安い、その後年齢を重ねて、所得が増えるに従い、家賃が高騰する。しかし、自分で家を建てようにも坪単価120万円を超える建物は正直なところ厳しいので、建てることができず、子どもたちが島に戻る環境を作ることができないという話でした。島の生活、人口を守るにはそのあたりを考えてほしいという要望が強くありました。

確かに南北大東村は沖縄県の中でも高所得の自治体になります。北大東468万円、南大東405万円、那覇市281万円、県平均240万円です。しかし、それは公務員×農家、建設業×農家、農家×漁師など収入を得るための努力をしていると感じました。

加えて高校生から島の外に出るため、医療を受けるお年寄りは本島の病院に行くケースが多く、労働していない人口の母数が少なくなることも要因に挙げられます。北大東村の就業率は85.9%、直近の数字はありませんでしたが、南大東でも70%はゆうに超えているであろうと考えられます。ちなみに那覇市は48.4%です。 

15の春を迎えると高校のない小規模離島は親は各々の島で子は本島での2重生活、また県外への進学が重なると3重生活を余儀なくされます。月の出費が2倍〜3倍に増えることに加えて移動費もかかります。必死になって稼いでもより多くの支出があるというのが現状となっています。

「離島の振興なくして沖縄の振興発展なし」「サトウキビは島を守り、島は国土を守る」などの言葉が議会でも取り上げられることがありますが、沖縄県内各所の離島を巡りながら沖縄の振興発展とは何か?ということを考えて取り組みをしなければならないと改めて感じた南北大東島の視察でした。

沖縄県の下水処理はどうなっている?

防災の観点から災害時の水の供給やお手洗いなどの処理がとても重要視されています。

最近、水の浄化についての提案を受けたり、道路清掃をしながら側溝のゴミはどうなるのだろうか?などと考えさせられたこともあり、沖縄県の下水道課に現場視察の相談をしてみたところ、宜野湾にある浄化センターの見学をさせていただけることになりました。

那覇・西原・宜野湾・うるまと4ヶ所の浄化センターが沖縄県の管理としてありますが、その中でも宜野湾(伊佐浜)はアメリカ統治下において沖縄県内では那覇と同時期に初めて設置されたということでした。

流域下水道整備状況のサイトで各センターの現況や計画が見れます。

沖縄県下水道課ウェブサイトトップページ

飲料水は沖縄県では水タンクを設置している家庭も多く、ペットボトルや水ディスペンサーなどを常備している方もいらっしゃるかと思います。

しかし、下水に関してはあまり気にしていないのではないでしょうか?トイレの利用についてはもちろん各家庭で水を貯めておくことでクリアできるの ですが、その行き先である浄水場についても146万県民の排水を処理するためには多くの電力が必要とされているようなので、ひょっとしたら水処理ができなくなるケースも可能性としてはあるようです。

浄化について、職員から説明を受けてまいりました。左のボトルから右に向けて浄化の段階が進んでいる様子です。

生活排水(炊事・洗濯・お風呂など)とトイレの排水を合わせて処理しています。左から3つ目の 反応槽というところで微生物を使い汚れを食 べてもらい水を綺麗にしています。その後は透明になっています。

浄水場は広大な広さで少しは匂いますが、とても気になるというレベルではありませんでした。

写真は最終の処理水の直前で塩素処理する前の段階ですが、小さな魚も住めるくらいですから、だいぶ綺麗になっているのだと思われます。 

仕組みについては沖縄県のサイトをご覧いただければ詳しいことがわかります。

ちなみに沖縄県の下水道の普及率は72.4%と全国の80.6%より低い水準となっています。日本下水道協会サイト(最高は東京の99.6%と最低は徳島の18.7%)今後は人口減少に伴い、現在の施設の維持が可能なのか?ということも合わせて考えていかねばなりません。下水が普及していない家屋は浄化槽を設置しますが、その法定点検についても沖縄県は低い状況にあるということもわかりかりましたので、意識啓発もしていく必要があります。

そして、雨水の処理について気になったのでそちらも確認してみたところ驚くことにそのまま川に流れてしまうと言うことでした!

沖縄県は雨水と汚水が分離されて流れる分流式と言われる仕組みになっています。参考:日本下水道協会スイスイランド

大雨の際などに道路の落ち葉やタバコの吸い殻、食べ物の袋や容器などが側溝から流れて行きますが、途中でどこかで処理をするのかと思ったらそのようなことはないようです。

ということで、皆さま!ぜひともタバコやお菓子の袋などなどポイ捨てはなさいませんようお願いいたします。

グリーンスローモビリティってご存知ですか?

グリーンスローモビリティとは、時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両も含めた総称のことです。国土交通省HPから

(写真 株式会社イメイドHPより)

2015年のパリ協定の際に21世紀後半には温室効果ガス排出実質ゼロを国際  的な枠組みとして目指し、低炭素社会と併せて様々な課題解決を図る取り組みが求められるようになりました。

那覇市内でも高齢化が進み、交通難民・買い物難民と言われる地域も実は増えてきていますので、地域での地域内交通の確保が必要となってきています。また、観光の面でも観光客が増えれば増えるほど、オーバーツーリズムでの交通対策が重要視されています。我々の日常的な移動によるものだけでなくレンタカーなども加わり、沖縄県も慢性的な渋滞があります。

特に、那覇市内は全国でもワーストの渋滞が行政でも大きな問題として取り沙汰されていますので、新たな移動の仕組みとして観光モビリティの展開など、地域が抱える様々な交通の課題の解決と、地域での低炭素型モビリティの普及を同時に進められる「グリーンスローモビリティ」の推進が図られるようになっています。

グリーンスローモビリティというとなかなかわかりづらいと思いますが、表面の写真のようなゴルフ場カートや沖縄海洋博記念公園の中での電気自動車のものなどを想像していただければ良いと思います。

県外では路線を限定してはいますが、このような車を利用して自動運転の実証実験などがなされている地域もあります。

うるま市の国際物流拠点産業集積地域という沖縄振興特別措置法に基づいた経済特区がありますが、そこに「株式会社イメイド」というグリーンスローモビリティの製造をしている車メーカーがあり、工場の視察と代表の方からお話を伺ってまいりました。グリーンスローモビリティは我々が乗っている通常の乗用車両とは異なり、低速で走行するので衝突実験を行う必要もないために、これまでの大手メーカーだけではなく地方のメーカーも参入しやすいということでした。

しかし、電動のモーターを生産車数が少ないうちには独自開発するのはなかなか難しく、海外メーカとの協力もしているという話もあり、純県産を目指すにはもう少し販売数を増やすなど環境を整える必要がありそうです。地域のお年寄りや子どもたちの足としての公共交通などで活用できれば良いと思います。

代表から、沖縄県内外で学んだ学生が戻る職業・業種・業界を作りたいとい う旨のお話がありました。まさにその通りだと感じます。私の友人でも県外や海外で仕事をスタートしキャリアを積んだはいいものの、なかなか沖縄に戻り仕事する環境がないという話を伺うこともありました。しかし今後は沖縄県も通信環境が整ってきました。Webを使うなどで、地域の不利性をどこまで克服していくのかを民間の皆様の意見もいただきながら整備していく必要がありますので、取り組んで行きます。

若年妊娠が多い件について

先週のニユースレターで沖縄県の人口減少問題について触れましたが、それでも全国的に見ると子どもが多い地域であるという印象があります。実際に数字を追ってみました。

2021年の全国の合計特殊出生率は1.30です。(令和3年厚労省人口動態統計月報年計の概況)最も高いのは沖縄県(1.80)、 次は鹿児島(1.65)です。ちなみに最も低い のは、東京都(1.13)です。

《合計特殊出生率》は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当します。「特殊」な期間の「合計」ということです。

※女性が生涯に生む子どもの数が変わっていない状況で、晩婚化が進み、出産年齢が高く変化している場合、カウントされない空白期間があるので合計特殊出生率が一時的に過少に推計される可能性があります。

ちなみに《普通出生率》は、人口千人当たりの出生数を表します。この数値は、出生に直接関係しない男性、子ども、高齢者も含まれ、年齢構成比を考慮しないため、時系列比較や国際比較には使用できません。

人口を維持するのに必要な合計特殊出生率は2.06と言われていますので、今後は沖縄県も人口が減少する流れにあることは間違いありません。子どもを産み育てる環境づくりは大事なのですが、沖縄県には若年妊娠出産が多いという課題もあります。

若年妊娠出産をと言われるのは10代のことです。若年出産の全国の割合がおおよそ1.3%前後で推移している中、沖縄県は2.5%と2倍ほどになっています。

 ちなみに決して若年妊娠の全てに問題があるということではありません。もちろん若くして子どもを授かり、しっかりと子育てをしているご家族もいます。しかし10代または20代の早い時期では所得も低く子どもを育てるための経済基盤が整っていないケースが多いのが現実としてあります。子どもを育てるには両親だけではなく、多くの方々の支援も必要だと思います。が、しかし家族から理解や支援を得られず、環境が出産や子育てに適していないということもしばしばあるようです。県内には若年妊産婦の出産支援をする施設も数カ所ありますが、まだ十分な数ではありません。本来であれば行政がてを差し伸べるべき対象ですが、行政の運営ではなく民間運営ということで、資金的にも厳しい状況にあります。※「まりやハウス風の家」「おにわ」などがあります

加えて若年で子どもを抱えたまま離婚をするケースも多いと聞いています。そのような女性は一人で子育てをしながら生活をしますので、一般的な就労も難しいということで、夜間の飲食業や風俗業に身を投じることもあり、そこで新たな課題問題も発生します。琉球大学の上間教授の講演についての記事から以下。

上間さんは、風俗業界で働く若者や若年出産した女性を調査して見えた課題を説明した。業界には若年出産の女性が多く、初めての仕事が風俗業だったこと、複雑な家族関係や暴力被害など重複した困難が見られるが、「苦し過ぎてその苦しさを語れないという苦しみもある」と話す。(沖縄タイムス2022年11月8日記事

県内では母子寡婦福祉連合会という団体が主催し、シングルマザーの経済基盤を安定を図る事業を展開しています。(琉球新報2022年5月21日記事

ビックデータの解析やそこから得られる情報により、企業へのコンサルティングなどをしていくデータアナリストの育成を企業と連携して行っています。自宅でも就業ができ、子育ての時間も取れる、なおかつ所得も得られる仕事として提案されています。通信環境が整い、ITを活用できる時代だからこそのだと思います。シングルマザーや若年出産をした方々の所得向上にも繋がり、生活も整って子育ての環境の改善にも結びつくのではないかと思われます。その他にも様々な手段で生活の安定を図っていかねばなりません。

しかし、それ以前に子どものころから日頃の生活に関するお金の教育や仕事の教育を合わせて、自己の人生をどのように積み上げていくのかを考え、将来に向けてビジョンを持つようにキャリア教育を行うことが根本的な解決策の一つとして必要ではないかと考えていますので、今後も推進に向けての提案をしてまいります。

沖縄は人が減っている?!

今年の7月に衝撃の報道がなされました。

民間シンクタンクによると県の総人口は、去年をピークに、今後、減少に転じる見込みということです。国勢調査などに基づいて推計、外国人を含む県内の総人口は、2021年が146万8400人とピークに達し、その後は減少に転じ、2030年には145万5100人、2050年には135万7400人、2070年には118万8400人まで減少の見通しとのこと。NHK沖縄NEWS WEB 沖縄県の総人口 去年をピークに今後減少の見込み

10月19日発表の2021年の県人口動態統計で年間出生数から年間死亡数を引いた自然増減数は953人で、1925年以降、初の1000人以下となりました。ちなみに、前年に比べ1600人も減ってはいますが、全国で唯一自然増の県ではあります。

新型コロナの影響で婚姻件数の減少、死亡者数が出生数を上回ったこと、入国規制によって外国人の人口減少が進んだことなどで、国立社会保障・人口問題研究所の推計などより人口減少の到来が10年近く早まったと推察されています。全国的にも初婚や初出産の年齢が以前より遅くなっていることは以前このブログでも触れました。(2022.06.12ダブルで来るんですか?!)沖縄県は全国に比べると女性の第一子出生時年齢も低い(29.6歳 全国平均30.7歳 2016年人口動態調査)状況ですが、50歳時点未婚率も上昇傾向にあります。

沖縄県は、男女ともに全国より50歳時点未婚率が高く、平成22年においては、男性で約 4人に1人(25.05 全国1位)、女性は約10人に1人(12.72 全国5位)と高い割合となっています。

全国的にも話題となっていたので、日経新聞 未婚、なぜ増えてるの? 男女で意識のズレ大きくニッキィの大疑問2 から抜粋

国立社会保障・人口問題研究所では、およそ5年ごとに結婚や出産に関する「出生動向基本調査」を実施しています。2021年調査のデータで、18~34歳の未婚者で「いずれ結婚するつもり」と答えたのは、男性81.4%、女性84.3%でした。前回調査(15年)より、男女ともそれぞれ4.3ポイント、5.0ポイント下がっています。

ということです。沖縄の数字が少し古いので、ひょっとしたら悪化しているかもしれません。

昨年の記事ですが、HUB沖縄2021年4月13日配信から

離婚率も再婚率も出生率も全国1位。女性の第一子出生時年齢も低い。なのにその一方で、50歳時未婚率も高いため、ある大学教授は『カオス(混沌)』だと表現しているほどです」と仲原さん。これが意味するところは“何回も結婚する人がいるのに、結婚できない人はいつまでもできない”という、両極化が進んでいるという点だ。

様々な要因が絡み合って、今の沖縄県の現状となっていますが、50歳時未婚率の高さ、出生率の低下、またその後の離婚率の高さなどを見た時に、ご家族と一緒に子育てをできる方もいる一方、一人での子育てをする方も多くなっていますので、今後の人口回復を目指すのであれば、その支援をしっかりと行うことも行政には求められてきます。

道路の雑草がすごくて困る!性能規定型道路除草管理とは?

日頃の朝活でウォーキング&クリーンアップをしています。

近所をいくつかのコースに分けて30分ほどのんびり散歩をし、近隣で同じく朝活をしている住民の方々と挨拶を交わしながら、時に意見をいただく大事な場となっています。

その時に良く言われるのが「雑草の繁茂=道路の雑草がすごくて困る!」です。特に私の自宅裏手の坂道は歩道がすれ違いで通れないくらいに草が伸びてしまい、私も年に2〜3回那覇市の道路管理課へ連絡して除草の依頼をしています。これは沖縄県の道路管理も同様で那覇市内であれば沖縄県南部土木事務所へと連絡をします。

しかし、道路管理も予算面や作業の手配ですぐに対応は厳しいということもあり、実施まで1ヶ月ほど待つこともあります。しかし、沖縄県も手をこまねいているだけではなく、住民生活の向上に向けて工夫をしているようです。

今年度から沖縄県は「  性能規定型道路除草管理」という仕組みを取り入れています。

参考1 性能規定型道路除草管理について 沖縄県道路管理課

全国的10年ほど前から取り組まれ始めた方式で、これまでは年に何回の草刈りをしてくださいという契約から、雑草が40センチ以下であれば(安全面や景観上)OKということになり、委託事業者の裁量によって作業ができるようになりました。

そのために予算面を抑えることにもつながるようで、非常に画期的な取り組みだと思います。

県外でも除雪や草刈り、道路の補修などで取り入れられている管理方式ですす。が、沖縄県としては除草に特化し、まずは試験的な施行をして、今後拡大をしていくようです。

那覇市においてもぜひ取り組んでいただき、日頃の道路の景観・安全性の改善に取り組んでいただきたいものです。

琉球料理の継承について

↑9月定例会の代表質問の様子です。

いまやコンビニエンスストアに行けば様々なお弁当などが並び、お菓子や飲み物など、選択肢が多岐に渡り選びきれないほどです。また年中行事においても簡素化が進み、昔のよ うな食事は段々と姿を消している家庭もあるのではないでしょうか。

OCVB 沖縄フィルムオフィスサイトより

そのような食の多様化、価値観の変化などで食の環境も変わってきています。琉球料理を口にする機会も減り、琉球伝承が危ぶまれています。しかし、食文化は非常に大事なものですので、沖縄県でも沖縄食文化保存・普 及・継承事業が行われています。今回9月定例会代表質問でもどのような計画・体制で取組がなされているかを聞いてみました。

9月定例会代表質問 YouTube

県は、平成28年度に「沖縄の伝統的な食文化普及推進計画」を策定し、沖縄の伝統的な食文化の保存・普及・継承を推進しています。

沖縄の伝統的な食文化普及推進計画(平成29年度~平成33年度)(PDF:3,234KB)

今年度から二期目がスタートしています。

沖縄の伝統的な食文化の普及推進計画 第2期計画 (令和4年度~令和8年度)(PDF:4,665KB)

目指す姿として「県民が伝統的な食文化の価値に気づき、愛着と誇りを持つとともに、観光資源として活用していく」とあります。

沖縄の食、琉球から伝わる食文化は非常に独特ですが、なかなか価値を見いだされていないのではないかと感じます。

そんな中、沖縄県では①担い手育成(スペシャリスト養成)講座、②「伝統的な食文化の情報をデータベース化」を中心に継承事業がスタートしました。

琉球料理担い手講座 沖縄の伝統的な食文化データベース

県が支援し民間の指導者のもと「琉球料理伝承人」を育成し、「沖縄の伝統的な食文化」の担い手として、積極的な普及啓発活動ができるように、次世代への継承、食は観光でも非常に重要なものとなりますので、観光資源としての役割を担います。そして今は映像なども含め後世に伝えていくのも、これまでのように口伝や実際に直接指導をしなくてもできる環境が整ってきましたのでアーカイブとして残す取り組みが始まっています。

また、沖縄県は少し前まで健康長寿の代表的な県でしたが、いまやその影は見ることもできませんが、昔の食を見直すことで、健康長寿を取り戻すきっかけにもなるのではないでしょうか。

現代においても伝統食とは言い難いのですが「ポークたまごおにぎり」も意外や意外と県内外のお客様に評判が高く、沖縄のソウルフードなどと紹介されています。県外・海外にも店舗展開をしている会社(ポーたま株式会社)もあります。

(写真ロケットニュース24【検証】沖縄のソウルフード『ポーク玉子おにぎり』をコンビニ3社で比較してみた結果、ひとつだけ分かったことが…より)

 

代表は県外出身で沖縄に住んで長いかたなのですが、沖縄生まれの人が気が付かないビジ ネスチャンスをものにしたと言うことで、様々なメディアでも取り上げられています。

ちなみにポークたまごのおにぎりはコンビニやまちなかの商店でも販売もなされていますので、私も小腹が空いた時に良く利用しています。

食に目を向けることで、多くの気付きがあります。そして食のお話をするのは楽しいので、そこから政治に関心を持っていただくことも一つの手段となるかもしれません。