石破茂新総裁誕生

私の所属する自由民主党は政権与党であり、党総裁が内閣総理大臣(首相)を兼任することがほとんどです。そのために自民党総裁の任期は、日本の首相の任期にも直結します。自民党員以外からも注目を浴び、この15日間は日々報道の話題を一手にさらっていたと言っても過言ではないと思います。

本日、2024年9月27日に行われた自由民主党総裁選で、石破茂氏が新たな自民党総裁に選出されました。これは、彼にとって5回目の挑戦で、初めての総裁当選となりました。今回の総裁選は過去最多の9人が立候補する激戦でしたが、最終的に高市早苗氏との決選投票を制し、石破氏が過半数の票を獲得しました。1回目の投票は棄権1人を除く国会議員票367票と党員・党友票368票の計735票で争われ、高市氏が181票で1位、石破氏は154票で2位となりました。上位2人による決選投票は党員票を47票に圧縮して計414票で行われ、ライブ中継を見ていましたが、高市候補の演説は非常に堂に入ったもので、初の女性首相となるという雰囲気もありましたが、石破氏が215票を獲得し、194票の高市氏を21票差で破りました。
石破氏は直ちに党総裁として幹事長などの人事に着手。30日に新たな党執行部の陣容を決定する流れになります。

その後、総理大臣として正式に就任するためにはいくつかのステップが進行します。以下が通常のスケジュールです。

1. 特別国会の招集: 自民党総裁に選出された後、総理大臣指名選挙が行われる特別国会が開かれます。ここで石破氏が国会で第102代総理大臣に指名されることとなります。通常、総裁選後数日以内に特別国会が召集されます。今回は岸田総理の任期9月30日の翌日10月1日に召集される予定となっています。

2. 内閣の組閣: 総理大臣に指名された後、石破氏は新内閣を組閣し、閣僚を任命します。この段階では、主要ポストを誰が務めるかが注目されます。任命の電話を受ける方はドキドキでしょう。

3. 正式な総理就任式: 新内閣が決定した後、天皇陛下の認証を受けることで、正式に総理大臣として就任します。これは形式的な儀式ですが、法的に必要なプロセスとなっています。

4. 記者会見および国会での所信表明演説: 就任後、石破氏は新しい政権の方針を説明するために記者会見を開き、その後、国会で所信表明演説を行います。これによって、彼の政策や今後のビジョンが明確に示されます。

また、今日の記者会見でも「新政権が発足するので、いずれの時期には国民の審判を賜らねばならない。全国民の代表者である国会議員で構成される野党の方々とも論戦を交わした上で判断をいただきたいが、なるべく早く審判を仰がなければならない。その2つを合わせて適切な時期を判断していきたい」と述べられたようです。早い段階での党首討論も可能性としては大であり、立憲民主党、公明党も代表が変わったのでその方々との論戦も非常に興味深く楽しみです。10月または11月の早い時点での衆議院議員総選挙も予見されます。

その選挙を経て、どのような議員が国会議員として誕生するのか?また、岸田総理の3年間は多くの停滞していた物事が動いたのではないかと感じていますので、今後の石破政権での動きはどうなることか非常に興味深いものを感じています。

沖縄政策でも過去の発言や政策提案から見ると、

1. 基地問題の見直しと負担軽減
沖縄には多くの米軍基地が集中しており、長年住民の負担が問題視されています。石破氏は防衛大臣を務めた経験を活かし、沖縄の基地負担軽減に力を入れてきました。特に、普天間基地の移設問題に対しては、地元住民との対話を重視しながらも、国家安全保障上の必要性から現行計画の推進を訴える姿勢を示しています。先日の那覇での演説会でも日米地位協定の改定に踏み込んだ話をしていたのが印象的でした。

2. 地方創生と経済振興
石破氏は、地方創生担当大臣も歴任しており、沖縄の経済振興にも関心を寄せています。観光業を中心とした沖縄の経済発展に向けて、インフラ整備や観光資源の活用に力を入れるべきだと主張してきました。また、沖縄の自立した経済成長を目指し、地域の特性を生かした産業育成を提案しています。

3. 歴史・文化への敬意と理解
沖縄の独自の歴史や文化に対しても、石破氏は理解と敬意を示しており、これらを尊重する政策を進める意向を表明しています。彼は、沖縄が抱える複雑な歴史的背景に対する十分な理解を持ちながら、中央政府と沖縄の信頼関係を築くことが重要だとしています。

4. 安全保障と地政学的役割
沖縄は日本の安全保障上、非常に重要な位置にあります。石破氏は防衛に関しても専門的な見識を持ち、沖縄の地政学的な重要性を認識しつつ、基地の配置や自衛隊の役割など、安全保障政策の整備を進める考えを持っています。

このような政策を通じて、沖縄の経済的自立や安全保障上の役割を強化しつつ、住民の負担軽減と文化的理解を両立させることを目指していると感じています。

岸田総理も就任当初は増税メガネ(増税はほぼしていない、むしろ減税)と言われたり、息子のお土産購入で叩かれたり、検討使と揶揄されたり(そんなことはなく3年間ガシガシ進めてきた)媚中と言われながらかなり厳しい対中措置を行ったりと、実態は報道と違うことも多々ありました。石破新総裁もなんだかんだと言われていますが、そのような言葉を吹き飛ばすような政策の実行、活躍を一党員、一国民として期待するばかりです。

自民党の層の厚さ、またそれぞれ候補の能力と志の高さを見ることのできた総裁選だったのではないでしょうか。非常に誇らしく思っています。