自由で開かれたインド太平洋 FOIP(Free and Open Indo-Pacific)

月に一度、お昼時間を活用して、支援いただいている方々と一緒に勉強会を開催しています。私が政策として掲げていることや、その時々のトピックスを中心として講師をお招きしていますが、会員からの講話をしていただくこともあります。これまで気が付かなかった新しい話題との出会いや、新たな視点と学びを得る非常に充実した時間です。

その勉強会に外務省沖縄事務所から講師をお招きし「自由で開かれたインド太平洋」について沖縄の地政学的なことも踏まえてお話いただきました。

FOIP(Free and Open Indo-Pacific)外務省サイト経済産業省サイト

この外交戦略は当時の第二次安倍内閣から日本発で概念・理念が広がり、アジア諸国、アメリカ、オーストラリアなど当該地域だけでなく、ヨーロッパの国々からも賛同を得るようになりました。

防衛省サイトより

上の図でインド洋・太平洋を合わせるとアフリカからアジアを経て日本、そして北米・南米と非常に大きなエリアとなっていますが、まさに沖縄は要石のポジションです。

「2016年8月にケニアで開いたアフリカ開発会議(TICAD)で安倍晋三首相が打ち出した外交戦略。成長著しいアジアと潜在力の高いアフリカを重要地域と位置づけ、2つをインド洋と太平洋でつないだ地域全体の経済成長をめざす。自由貿易やインフラ投資を推進し、経済圏の拡大を進める。安全保障面での協力も狙いの一つ。法の支配に基づく海洋の自由を訴え、南シナ海で軍事拠点化を進める中国をけん制する。」と、2017年10月26日の日本経済新聞の解説には記載されていたようです(検索で見つからず)。(笹川平和財団:外務省HPから読み解く「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」の理念と実践 参照)

沖縄県においても台湾有事という言葉も普段から耳にするようになってきていります。また、琉球国時代においても東はタイ国付近まで貿易行っていたこともあり、その先のアフリカあたりの文化や財も経由して入ってきていたことを考えると、地域安定を考え、このFOIPの流れを上手く活用する必要があるのではないでしょうか。

自由で開かれたインド太平洋の実現のための三本柱として以下が外務省のサイトには明記されています。

1 法の支配,航行の自由,自由貿易等の普及・定着

2 経済的繁栄の追求(連結性,EPA/FTAや投資協定を含む経済連携の強化)

3 平和と安定の確保(海上法執行能力の構築,人道支援・災害救援等)

決して争うものでなく、国際法を守り、平和で自由、そして平等な移動や商売を協力して行うようにするべきものであると言うことです。

私が議会でも幾度も取り上げている「海洋資源」についても、まだ国際法が定まっていない部分も多くあります。なので利権を争うのではなく、その法を定めると同時に、前述のように東アジアでは軍事的な緊張がある中で、中国や韓国、北朝鮮などとの連携をしていくことが平和の近道であると考えられますが、そのベースとして理念、考えを共有することができれば良いのではないかと思います。

安倍氏銃撃1年 岸田外交、FOIPを継承・発展へ(産経新聞2023/7/2)

本日(7月2日付け)の産経新聞にもFOIPを基礎として米国に頼るだけでない日本が主体的に地域の安保に貢献し、新たなパワーバランスを創出するための岸田政権の韓国・北朝鮮・インド・オーストラリア・台湾に対する外交政策についての掲載がなされていました。

沖縄県では中国の南シナ海の軍事拠点化を牽制するという部分に沖縄県に対しての抑止力としての自衛隊配備などを連想させるためか、なかなか取り上げられることの少ない事案です。「抑止力」と「外交」という2本の柱でしっかりと周辺国との関係性を良くすることが地域の平和と安全につながるものであります。

皆様もこのFOIPの行き先について興味を持っていただければと思います。