首里あの町この人 【第2回】
事務局わたなべの首里人リレーインタビュー
首里の魅力は人にあり、ここから沖縄の未来が見えてくる。
屋宜 貢(やぎ みつぐ)さん
好きな食べ物 カレーライス
音楽、演劇の配信もされています。3月27日(11時、14時2回の公演)にライブ配信がありますのでご覧ください。URL:https://www.youtube.com/user/love34net
【音楽、福祉でつながる地域交流が新しい首里の街をつくる】
渡部:よろしくお願いします
屋宜さん:よろしくお願いします。
わ:早速なんですが自己紹介からお願いできますか?
や:屋宜 貢(やぎ みつぐ)です。「音楽と福祉で街づくり」ていうのをテーマに首里を中心にいろいろな活動をしています。主に小、中、高生のエンタメのサポートの協力をしています。
わ:ずっと、首里にお住まいでしたか?
や:はい、生まれも育ちも(首里)です、10年くらいは離れてますけど。
わ:首里のどちらですか?
や:首里の大名です。
わ:皆さんに好きな食べ物を聞いております。
や:なんだろうな?カレーライスかなぁ?
わ:いいじゃないですか。
や:いやもう食べすぎてる。
わ:どこか好きなお店とかありますか?
や:自分で作ったの。毎週水曜日の夜間塾、そこで子供たちにカレーを提供しているんですけど、しょっちゅう作るので、嫌でも週に2,3回は食べる。
わ:やかん?夜間なんですか?
や:夜間無料塾。大名夜間無料塾っていう
わ:こういうことを開催されてるんですね
や:そこの企画にかかわっていますね
わ:では、こちらに関して、今、首里で取り組んでいる、活動のお話をよろしいでしょうか?
や:軽音楽、演劇もやってるんですけど、中心、一番力を入れてるのは軽音ですね。
わ:子供たちがバンドを組んでるんですか?
や:そうです。小学生のバンドもいますし、バンドをみんな組んでその指導、あと楽器の提供とか機材の提供もうちの方でやってます。
わ:屋宜さんご自身もやるんですか?
や:一切やらないです。
わ:(笑)そうなんですか。どなたが指導されてるんですか?
や:指導は大名児童館の職員でもあるんですけど、職員がみん な実際バンドをやってる人たちとか、プロとして活動してる職員もいるんで、あとは、つながりで、みんな協力してもらってます。
わ:力を貸してくれる人が?
や:いっぱいいます!
わ:子供たちの取り組みや楽しみかたはどうですか?
や:取り組みはいいですよ。やりたい子供たちはたくさんいるんですけど、環境がないんですよ。この首里に
わ:なるほどー
や:ドラム叩ける場所とか、
わ:音の問題ですか?
や:音の問題だったりで、環境が整ってなく、今、(希望する)子供たちは溢れてます、できる場所がなくて、
わ:希望する子はいっぱいいるんですね。
や:います、います。で、今年の目標がこのできる場所を徐々に広げていく。今年も中学校にお願いして軽音クラブをつくってほしいと。で、多分もうできるんですけど。首里中の方からもそこに上がる子供達からの依頼や、首里の地域の学校からの子供達からの要望があったら、楽器とかサポートやりますよ。学校の許可さえあれば。
わ:学校もこういう活動にはポジティブですか?
や:全然ポジティブですよ。結局生徒がやりたいんで
わ:こういう活動は子供と大人が触れ合う機会になると思いますが、子供にとっていいことだと?
や:そうですね。子供たちにとって、教えるのがうまいというよりもプロとしてほんとに活動してる。なんだろうキラキラしてる大人を見るとやっぱりいい刺激になるので、教えるのうまいというよりやっぱりキラキラしてるところを見せるところ、そしたら、子供達も自然に練習するし、憧れるし、リスペクトするので、やっぱりカッコいい姿を見せるというのが大事だと思います。
わ:いいですね。僕はクラシックやるんですけど、一番伝えたいのは言葉ではないところでふれあいができるところじゃないですか。
や:教えるのうまいのはいっぱいいますけど、そうじゃなくて活躍して、カッコいいところを見せるのが一番大事かなぁと。
わ:では、次は、夜間無料塾のお話も聞かせていただけますか?
や:もともと始めたきっかけはコロナ禍でいろいろみんな困ってることないかって、地域に話をしてたんですよ。
何か求めてるものはないですかと、大名小学校区まちづくり協議会が主催です。で、大名児童館が共催という、かたちで合同主催でやってるんですけど、そこから、オープンにみんなが学べる環境をつくろうよって開催しました。
食事の提供もしてるんですけど、これがよく子ども食堂ですか?貧困対策ですか?ていう意見がいっぱいあります。でも一切違います。あくまでも、みんなで食事をたべると楽しいし、一緒に勉強すると楽しいし、コミュニティーづくりです。異年齢のコミュニティづくりを大事にしたいなぁ、ということでやってます。
わ:兄弟が少なくなって、子供たちの中でも幅広い年齢の交流が少なくなってきている?
や:そうですね。すくなくなってきてはいますね。大名は交流多いほう、小規模なんで異年齢の交流を大事にしてます
わ:どのぐらいの年齢の子たちですか?
や:下は小学校1年生から小学校6年生までです、で教えてるのが高校生です。
わ:なるほど、すごくいいですね。
や:高校生は軽音楽部の首里高校生徒ですね。児童館で軽音をいろいろサポートしてる代わりに、高校生は子供たちに勉強を教えます。
わ:大人からは音楽を教えてもらって、自分たちは次の世代(小学生に)に勉強を教えるというサイクルですね。すばらしいですね。これ。何名ぐらいで活動されてます?
や:毎週20名ぐらい
わ:これは屋宜さんが中心になってですか?
や:はい、なってます。他地域からもいっぱい問い合わせがあって、城西区域とか石嶺区域とか、私たちも参加していいですか?て、これはお断りしてるんですよ。実は大名小学校区街づくり協議会から講師に対しての謝金が出てるので、やっぱり継続するためには最低限の謝金が必要なので、まちづくり協議会からの予算なので他地域からの参加はお断りしてるんです。
わ:もしそういう課題がクリアーされればもっと広い地域で活動したいですか?
や:はい、そうです。逆にサテライト的に私達が城西や石嶺地域に行って、全然企画することはできます。
わ:屋宜さんが作った、フォーマットみたいなもの?
や:フォーマットというか、実際予算があればできるんですよ。基本ボランティアはいません。ちゃんと(謝金を)発生させてます。
わ:きちんとしたものを提供するためですね?
や:私はボランティアでやってますけど、それはやってる側じゃないですか?やってる側がほかの人にボランティア求めちゃダメなんで、やっぱりほんとに継続するんなら謝金があって、必要なものにはお金を払う。ボランティアが素晴らしいとは正直わたしたちは思ってないので、ボランティアほど責任感のないものはない、責任もってやってる人もいるとは思うんですけど、やっぱり謝金を払って継続的にやってます。ものすごく安い賃金なんですけど、ですんで、有償ボランティアっていう呼び方をしています。
わ:ここから出られた方はどんな、その後でしょうか。
や:まだですね、コロナの後からなんで、
わ:そうでした、音楽のほうはどうでしょう?
や:音楽も児童館が立ち上がってからですんで、2年前ですね。うちの福祉会としては45年。
わ:どうですか、これからここを出ていく子供たちに、どんな大人になってほしい
や:どういう風にって言うか、あんまりないですね。日々自由に楽しんでほしい、やりたいことをできる環境をそれぞれで作ってほしい、やりたいことはやったらいいと思います。うちは卒園した子たちもよく来てくれるんですけど、今やってることの話とかを聞いて、サポートしたりとか協力したりとか。卒園した子たちが自分たちでバーべーキュー企画して、バーベキュー開いたりとか。
地域の保育園ていうのは卒園してからの方が付き合いが長いので、よく保育園の中の5,6年の期間の付き合いという考えの人がいますけど、卒園してからが私たちは長いので、地域にある保育園ていうのはとても重要だと思います。よしとよさんが掲げたごちゃまぜ福祉を中心に考えて動いているんで。地域福祉の拠点と思ってます。やっぱり子供たちの成長ってすべてわかってて、わたしたちいつも見てるので、小学校行っても、中学校行っても、高校行っても、てことでいつでも来れる環境をつくる。で、卒園してからがやっぱり長い付き合い、親とも長いし、実際ずっとつながってますので、何かあったら相談していただきたいし、こっちも相談することもあるかもしれん、ま、お互いさまなので、
わ:いやもう、素晴らしいですね。
や:ちょっとコロナ禍で怒られそうだけど、卒園した保護者に暇だったからLINEをしたんですよ、みんなであつまろうかと、ものすごく集まってしまって、親子で集まって、遊びすぎて困った、ハチャメチャでした。
わ:ありがとうございました。今日のインタビュー僕自身がすごく楽しめました。終わりに首里の方に向けて、ご意見あれば
や:んー、自民党にはいっぱいあるんだけど(笑)
いろんなのが敷居高いので、時代に合わせて変わっていってほしいな、首里のまちは、残すものは残すでいいんですよ、代わるものは変わってほしい。両方必要だなと思うんで、新しいものをどんどん生み出す街になってほしい。
【編集後記】
子供たちのやりたいことを手伝ってくれる大人がいるというのは、素晴らしいことです。大人をカッコイイと思って成長する子供たちは、きっと次の世代にもカッコイイを伝えてくれるでしょう。地域の問題を地域で解決する、簡単なことのようで、難しい。屋宜さんのお人柄があってこその活動であると痛感させられました。なによりインタビューしている僕自身がとても楽しかったです。首里の魅力をまた一つ見つけました。