令和2年度9月定例会閉会 沖縄県行政は健全か?

今回のブログは少々厳しめに県政に対しての苦言が含まれております。

昨日の9月議会最終日に出た2点の意見書に関する投稿になります。
ポイントは2つです。
1:意見書は2点ともオール沖縄内部の足並みが揃わず。
2:自らのメンツを優先、県職員を守らない与党と県三役。

本議会、私の一般質問の様子などはコチラ

まず、最終日の10月13日、沖縄自民党会派からは仲村家治議員が代表して提案させていただいた【那覇港湾施設(那覇軍港)の早期移設と浦添市西海岸開発計画の早期実現を求める意見書】は賛成多数(賛成:自民党、公明党、無所属の会、おきなわ、退席:てぃーだネット、反対:共産党、沖縄・平和)にて可決なされました。退席したてぃーだネットは「移設協議会での議論がない状態では賛否を示す時機ではない」との理由でしたが、移設協議会に応じていないのは沖縄県です。県議会だけでなく、浦添市議会、那覇市議会でも早期移設についての意見書が出されています。

だからこそ、早い協議を行い、移設実現のためにもこの意見書には賛成し、県執行部に対して直言すべきです。

知事を支えるオール沖縄陣営の対応が分かれたことは今後の政局に非常に大きな影響を与えます。

 

もう一つの意見書についてです。

与党会派提出予定の【辺野古新基地を断念し、米軍普天間飛行場の即時運用停止、閉鎖・撤去を求める意見書】が取り下げられました。

地元紙でも以下のように辛辣なタイトルになっています。

沖縄県議会で提案取り下げ 玉城デニー知事与党の「目を疑う失態」とは

13日の県議会最終本会議で、与党3会派は提案予定だった名護市辺野古の新基地建設断念などを求める意見書と決議両案を取り下げた。両案に残った新型コロナウイルスと基地問題の結び付けは「政局利用だ」との批判から、可決の見通しが立たなかったためだ。2020年10月14日  沖縄タイムス

議会には議会運営委員会という各会派から委員が参加し議会日程や質問の内容など運営に関わることを話し合い、その内容で議会が進行なされる重要な委員会があります。

その委員会において与野党の文書の確認を経て(←ココ大事)通過し、討論の通告もされた後に文言が「議会事務局の不手際」によって提出文書が間違っていたという理由で修正したいとの申し出があったようです。

もちろんそれは野党会派には認められずに意見書を取り下げる結果となりました。

沖縄県議会、軍港早期移設要求を可決 辺野古意見書は見送り

一方、与党3会派が提案を予定していた辺野古新基地建設を断念し、米軍普天間飛行場の即時運用停止、閉鎖・撤去を求める意見書は、文言調整が整わず、提出を見送った。文言調整を巡り、本会議当日に意見書案が取り下げられるのは極めてまれ。 毎日新聞 2020年10月14日

本当に事務局の不手際であれば職員は責任を痛感し、謝罪することが求められます。

しかし、本当にこのような不手際があったのでしょうか?

当初案であれば意見書の可決が望めないということで、「事務局の責任に転化し」議会運営委員会を通過した案を突如変更して本会議に諮ることは、議会運営の根幹を揺るがすことに繋がります。

公明党会派が当該意見書に対し反対討論を通告したことが、直接的な引き金となったようですが、与党会派に対しては県執行部(知事)側から議会意見書の賛否についての働きかけもあったとの話も聞こえております。

これが本当であれば与党は自ら議会運営の独立性を貶めていることになるのではないかと感じます。

県議会でもかなりの議員から追及がなされた那覇港管理組合の意識調査のことも然りです。

これまで浦添市が那覇軍港の移設先として、国・県・那覇市との協議で意見の一致を見なかった北側案に対して譲歩する動きを見せました。

「北側へ配置受け入れる」浦添市長が了承 南側案から一転 那覇軍港移設 沖縄タイムス 2020年8月18日 17:08

いよいよ動こうとしてきたこのタイミングで、那覇港管理組合が急遽の意識調査を行うと言う情報が入ってきました。

しかし、その調査は那覇港管理組合の構成団体(沖縄県・那覇市・浦添市)のうち那覇市と浦添市の意見も聞かず、勝手に「見直し案」と称したイメージ図(と県知事部局は言い張る)を掲載した内容で管理組合議にも通知されていおらずに調査費として407万円の支出を行いました。

両市から、9月28日、29日に抗議文が那覇港管理組合に提出されたことで、私も当初の予定の質問内容の組み立てを変更し一般質問を行いました。この件は副管理者が決済を行ったと言うことで、県議会では管理者(=知事)の責任を認めることもない答弁がなされましたが、一般質問で複数の議員からの追及により、調査の中断が発表されました。

この県議会定例会でも、管理者(=知事)に対しての質問に対し、那覇港管理組合での案件に当事者でない土木環境部長が答弁を繰り返すなど、部下への押し付けも見受けられました。

さらに、後日行われた那覇港管理組合臨時議会において知事=管理者が謝罪をすると言うことになりました。

浦添民港意識調査で玉城知事陳謝

那覇軍港の移設先になっている浦添市沖の民港のあり方などを県民に尋ねる意識調査が、抗議を受けていったん中止したことについて、那覇港管理組合の管理者を務める玉城知事が9日開かれた組合の臨時議会で陳謝しました。
(NHK 沖縄  NEWS WEB 

この程度の調査であれば元々あるサイトを活用すればもっと安い金額でできるだろうとも言われております。また、このウエブアンケートは本当に県民が回答しているかもわかりかねます。このようないい加減な調査を執行したことから(※注)100条委員会が設置されることになりました。その委員会において今後の追及がなされていきます。現県政の堕落ぶりには、目を覆うばかりですが、覆ってばかりではいられません。

那覇港管理組合議会が百条委を設置 十分な説明なく港湾計画で県民意識調査 琉球新報 2020年10月9日 21:36

これが沖縄県の行政で行われている、議会を軽視し、地域を軽んじ、職員に押し付けている政治の状況の一端です。10月14日から決算特別委員会が開催されます。その場を通して県政に対して提案、追及としっかり取り組んでいきたいと思います。

※注 100条委員会とは

https://www.asahi.com/topics/word/百条委員会.html