首里あの町この人 【第1回】
事務局わたなべの首里人リレーインタビュー
首里の魅力は人にあり、ここから沖縄の未来が見えてくる。
前田 曉寬(まえだ あきひろ)さん
好きな食べ物 ヒージャー汁 お住まい 首里桃原町
【地域のつながりが沖縄の未来を担う】
記念すべき第一回でございます。前田曉寬さんにインタビューをお願いいたしました。
新型コロナウィルスの影響で中止となる予定の琉球王朝祭り首里(旧称 首里文化祭)、今後に向け実行委員としてのお気持ちをお聞かせいただこうと思っておりましたが、お話させていただくと、活動そのものだけではなく、その先にある地域の人と人とのつながりを大切にする、首里の未来へと続くとても素敵なものでした。
わたなべ)まずはご出身など自己紹介をお願いできますでしょうか?
出身は兵庫県の山あいの町。幼少期は自治会や近所付合いの多い、地域コミュニティー力にしっかりと支えられた環境で育ちました。
高校を卒業後大阪へ就職するも阪神淡路大震災に被災し、住む場所、職場を失う中、瓦礫撤去のアルバイトや復興のためのボランティアに携わり、助け合い、触れ合いの大切さを改めて感じました。
その後、琉球大学へ進学し、沖縄の宜野湾市に移住。はじめはなかなか馴染めない沖縄文化であったが、学生時代、塾講師のアルバイト先の先輩にみっちり沖縄を叩き込まれ(主に飲み会だったみたいですが。)すっかり慣れました。(泡盛も最初は苦手だったもののいまでは、、、)
わ)首里に住むきっかけは?
結婚そして子供が生まれ、私の両親との同居がきっかけでした。かみさんが首里高出身だったり、義父母が首里に住んでいるというのがあるかもしれないのですが、実際は、それほど深くは考えていなかったかもしれません。
引っ越す前に娘が通っていた幼稚園の友達のお父さんが桃原町で旗頭をやっているという不思議な縁もありましたが、それは後で知ったので偶然ですね。
わ)新垣よしとよ県議とのお話もよろしいでしょうか?
新垣よしとよ県議との出会いも子供つながりで、PTA活動や城西小学校区まちづくり協議会でのものでした。県議の知識の多さ、交友関係の広さに何度も救われることがありました。地域のために活動するうちに、親しくなりました。(県議からは前田さんはみんなのために身を粉にして働いてくれる、頼りになる方とお話を伺いました。)
わ)琉球王朝祭り首里について今のお気持ち聞かせていただけますか?
祭りで旗頭ができないことも残念ですが、それ自体より、この活動が青年会だけでなく、敬老会や子供会も含む地域のつながりの中心にあったため、それがなくなることで、人と人とのつながりも希薄になっていく、そこに危機感をもっています。
活動を通じて、地域の子供たちの成長をみんなで見守ることができます、その子供たちの成人となった姿を見た時などは感慨ひとしおでした。
3年も開催されないと、子供たちはあっという間に大人になってしまい、顔がわからない子も中にはいますので、子供たちの成長や地域のつながりにとっても祭りの重要性を感じています。
わ)これからの地域活動についてお願いします。
最近は見かけることも少なくなった夏休みに地域住民で集まってのラジオ体操ですが、桃原町では開催しており、集まった子どもたちにラジオ体操のハンコを押してあげています。子供のころは押してもらう側だったのが、いつの間にか自分が押す側になっていることにハッとしました。そういえば子供のころ近所のおじさんに押してもらっていたなぁと。あのおじさん・おばさんたちに私たちは見守っていただいて育ったのだということを改めて気づかされました。
ちょっとしたことですが、なにげないふれあいが地域の力を支えていますし、みんなが安心安全な暮らしを送れる基礎となっているので、身近なところからできる取り組みを積み重ねていきたいと思います。
[ 編集後記 ]
首里の伝統を受け継ぎ、次代を担う前田さんの活動は、さらに次の世代へとつながり、沖縄の未来をつくる。家族の在り方も変わり、つながりが失われている現代に、地域活動に力を注ぐことの重要性を改めて教えていただきました。