泡盛は無形文化遺産になる予定です!

 沖縄のお祝いや行事ごとに関して欠かすことのできない泡盛には『泡盛の日』が制定されています。8月・9月に仕込みをした泡盛はその年の11月から新酒が飲めるようになり、沖縄県酒造組合連合会によって泡盛製造の最盛期に入る11月1日はいい月いい日『泡盛の日』となっています。

それ以外にも古酒の日があり、1999年に『 泡盛百年古酒元年実行委員会』により、今まで以上に多くの県民が古酒に親しみ、そして古酒の育成、貯蔵する事を全国的に周知してもらうために、9月4日を古酒(くーす)の日に制定されました。その他にも様々な場面で泡盛のイベントが行われています。

先日(R5.3.17)も泡盛同好会の懇親会が3年ぶりに開催され、参加してきました。

新型コロナでのマスクの着脱がそれぞれの判断によることになってから初めての会ということで、老若男女と多くの方が参加していましたので、泡盛ファンの層の厚さとその根強さを改めて感じました。

その泡盛メーカーの組合である沖縄県県酒造組合は令和5年4月13日に浦添市で記者会見で去年1年間の泡盛の出荷量などについて発表し、泡盛の去年1年間の出荷量は1万3317キロリットルで、前の年から638キロリットル、率にしておよそ5%増となりました。しかし、泡盛の製造については平成16年2万7688をピークに年々減少し、ピーク時の半分以下になっています。

泡盛出荷データ【沖縄県酒造組合公式】

また、沖縄県では、県産の泡盛やビールなどを県内で購入する場合、酒税が軽減されてきました。これは1972年の沖縄県の日本復帰に際し、県外から競争力の高い製品が流入するなどの環境変化を緩和するために定められた「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」に基づき泡盛の酒税は35%軽減されています。

例えば、通常は一升瓶(1800ml)当たり540円かかるはずの酒税が、沖縄県では351円です。ビールの場 合は沖縄県外であれば350mlあたり70円かかる酒税が、沖縄県で買えば20%軽減の56円となっていました。しかし、本土復帰から50年を迎え、第6次振興計画以降はさらなる延長は認められないのではと危機感を抱いた酒造組合から軽減制度を2032年までに段階的に廃止することを提案しました。結果として、この案が内閣府令和4年度税制改正要望結果に盛り込まれることになり、内容は図のように、泡盛は出荷量に応じて3つのグループにわけて軽減幅を変えるというものでした。

グループA:年間出荷量1300KLを超える大手

グループB:1300KL~200KL、

グループC:年間出荷数量が200KL未満の小規模酒造

そんな中で、各酒造メーカーも様々な手を打っています。スパークリングやウイスキーのように樽で寝かしたり、スパイスを使ったジンのタイプ、芋を使った焼酎タイプ、他にもフルーツやフレーバーを利用したものなど多種多様な商品が展開されています。また、ブレンドしたり、炭酸割りやシークァーサーなどの割素材を使うことも提案されていますが、個人的にはそれぞれの酒造所での泡盛としての味わいの違い、年代の違いを感じ楽しみ、さらには自分で環境を違えて「古酒」を作ることもできますので、泡盛の世界は非常に広いものだと思います。

また、2022年3月には泡盛が日本政府によりユネスコの無形文化遺産への申請が決まりました。伝統的酒造りで24年にユネスコ政府間委員会にて審査される予定となります。

もちろん過ぎたるは及ばざるが如しという言葉もありますので、飲みすぎや状況によっては控えることも必要ですが、ぜひご自宅や飲食店で泡盛をお召し上がりになって、琉球・沖縄で大事に引き継がれてきた歴史・文化を私達はもっと知り、楽しむことも大切だと思います。