朝食のコーヒーで目を醒させたり、コーヒーブレイクで気持ちをほぐしたりする機会など、私たちの周りにはコーヒーを飲むシーンはいくつかあります。
私もコーヒーを淹れる時の時間が大好きで、良く家でコーヒを自分で淹れて香りや味を楽しみます。
2022(令和4)年の日本では約43万2千トンの消費がなされています。全日本コーヒー協会がおこなった「コーヒーの需要動向に関する基本調査」によると、2020(令和2)年の日本人1人1週間当たりの杯数は、11.53杯ということです。
内訳はインスタント4.00杯、レギュラー4.11杯、リキッド1.97杯、缶1.15杯となっています。意外と飲んでいると感じるのではないでしょうか。
2020(令和2)年の世界の1人当たりのコーヒー消費量は以下のとおりです。
(Kg/1人/1年)日本3.4・ルクセンブルグ17.68・フィンランド12.14・スウェーデン10.42・ノルウェー9.00・スイス8.54・ブラジル6.29・USA4.85
となっており、ヨーロッパでの消費が非常に多いと感じます。
世界中で多くの人に親しまれていますが、この先、コーヒーの2050年問題(写真はキーコーヒーの2050年問題サイトより)ということで、地球温暖化により環境の変化を受けてコーヒー栽培にも影響が出るのではないかと言われています。
皆様もご存知のようにコーヒー栽培が盛んに行われている南米でもシミュレーションを行った際には面積が半減する恐れがあるようです。色のついたところで栽培されていますが、その地域が少なくなっていることがわかります。
南米の例にもあるようにコーヒーの栽培は、温暖で適度な雨量のある場所が適しています。赤道をはさみ南北緯25度、北回帰線と南回帰線の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地域において、ほとんどが生産されています。
日本の最南端である沖縄県はおよそ北緯24度から28度(本島は約北緯26度)で、栽培は可能ですが、台風ななどで風が強く日差しも強いため大規模栽培は難しく、これまでは限定された量にとどまっていたようです。
しかし、現在、沖縄の中でコーヒー栽培についての機運が高まっています。
世界規模の職員メーカーであるネスレが元サッカー日本代表選手の高原氏が率いる沖縄SVの農業部門の企業と連携して2019年に沖縄コーヒープロジェクトが開始されています。名護をスタートして始まり、山間地で風や日差しが程よく適している地として大宜味村での栽培もなされるようになっています。さらにはうるま市との協力もなされ耕作放棄地の活用なども行われています。
また、全国放送のニュースでも県内のコーヒー園が特集放送され、年末年始の長期取材を受けている別の園もあるようです。物産展では1杯あたり二千円のコーヒーも販売されていました。コーヒー販売で1億円プレイヤーも誕生しているとも聞いています。
先ほど発表されたOKINAWA Startup Program2023-24でも琉球コーヒーエナジー社の太陽光発電を利用した耐候型農業ハウスでのコーヒー栽培普及モデル事業が採択されるなど、沖縄産コーヒーの可能性は高まっていると言えるのではないでしょうか。【研究シーズ×おきなわスタートアップエコシステム MEET UP vol.1-琉球大学編-】実施レポート
合わせてコーヒーの実(コーヒチェリー)の活用もできるのではないかと言われています。今は堆肥として使われているのがほとんどのようですが、糖度も高く、15~17度(マスカット と同じくらい)もあると言われていますのでジャムにもできます。若干実は少なめですが、県内外でも商品化しているところもあります。私も元職が洋菓子職人ですので材料としてお菓子にもなるのではないかと想像してしまいます。焙煎して淹れたコーヒーも使い、他の県産食材と合わせてみたら面白いと思います。また、飲料としてのコーヒーはタネの部分を使いますので、捨てる部分も減ってきますので実の活用はフードロスにもつながります。コーヒーは今後の沖縄県において非常に期待できる農作物ではないでしょうか。