ダブルで来るんですか?!

ダブルケアという言葉をご存知でしょうか?いわゆる「子育てと(親や祖父母などの)介護 が同時に来てしまった!」その状況がダブルケアです。内閣府男女共同参画局「平成27年度 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」によるとダブルケアをする人が全国に25万3千人とありました。それから7年が経ちますので、超高齢社会の日本においてそれ以上になっているのではないかと思われます。またそのケアをする人が親族の一人に集中する傾向が見られます。

下の図は厚生労働省の2017年人口動態統計月報からソニー生命さんが作成・公表しているものがとてもわかり易いので掲載させていただきます。

私が生まれたころは第1子の出産が25.7歳(まさに私の母が25歳で私を産んでくれました!)これが40年経過して2016年には30.7歳と晩婚化となりまた、出産年齢が以前よりも高齢化しています。

1975年には子が生まれると親は25歳、祖父母が50歳になるかならないかでまだまだ元気な世代、その上の曽祖父母の4世代というのは平均寿命が70代前半ということでしたので珍しかったのかと思われます。また、子が成人を迎えるころに祖父母の介護が必要になるという感じではなかったでしょうか。

丁度わかりやすいので、サザエさんの家庭で言いますと(参考:彩Blog

波平54歳、舟52歳、

マスオ28歳、サザエ24歳、タラオ3歳

カツオ11歳、ワカメ9歳

ということなので、波平さん75歳、舟さん73歳の21年後ころには

マスオさんは49歳、サザエさんは45歳、タラオは24歳、ということでマスオさん&サザエさんは子育てが一段落ついているところです。

カツオ32歳、ワカメ30歳、そのときにカツオ&ワカメが子をもうけたときには丁度、波平&舟の介護と子育てがスタートするイメージです。

晩婚化と第1子の出産年齢が30歳ということで、子育てに対してお金のかかる高校生・大学生のころ に20歳(子)50歳(親)75歳以上(祖父母)という年齢構成になり平均寿命も80歳を超えるために介護が必要となる可能性が高くなります。

働き盛りの世代(30代~50代)仕事と家庭の両立に親の介護まで重なってくることにより家庭だけではどうにもならなくなってきています。近年では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、リモートワークなど分散型の仕事を行う方も増えてきました。自宅での介護などに手をかけることができるようになった反面、周りとのつながりが薄くなり、実際に手を貸してほしいときにお願いする知人が近所にいないということになりかねない状況も予想されます。

特に現在は沖縄県が発表した2020年の県人口動態統計(確定数)では

「出生数は前年比41人増の1万4943人で、出生率(人口千人当たり)は10.3。前年に比0.1ポイント減少、1974年以降47年連続で全国1位。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」1.83、85年以降、36年連続で全国1位」

また「2025年146万8千人、2030年には147万人と、増加見込み30年時点で人口増と予測は全国で東京都と沖縄県だけ。35年時点で沖縄は146万6千人と、4千人減っている推計」

ということですので、しばらくは人口も増えますが、合計特殊出生率は2を下回っていますので、介護を受ける世代は増え、それを支える人口は増えていないということです。

現在の介護、育児サービスではなかなか行き届かないところもありますので、働く世代の負担を低減させるためにもこれからは子育て支援策・高齢者介護政策の見直しを迫られることになるかと思います。また今後の人口バランスを考えたときにはやはり出生率のアップを目標としなければなりませんので、子を産み育てる環境の改善が求められますので、それは政治に関わるものとしてしっかりと提起していきたいと考えております。