狂犬病のワクチン接種率は沖縄県全国最下位です・・・

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、沖縄県もウクライナの人たちの受け入れをしていると報道がなされました。国内でも多くの自治体が同様に受け入れをしていますが、そこで、我々の家族として暮らすペットの受け入れには大きなハードルがあると問題になっています。

「ウクライナ侵攻は家族である動物たちにも暗い影を落としています。日本で暮らす避難者が、日本の法律の壁に阻まれ一緒に連れてきたペットを殺処分される恐れがあると救済を訴えています」(テレビ朝日4/14(木) 18:56配信より)

法律の壁とは日本では狂犬病予防法に基づき、最長180日間、動物検疫所で検査を受けることが義務付けられています。

しかし、そこで1泊3000円×180日分と交通費3000円で円の請求がなされるということです。検疫所ではエサ代や飼育施設の光熱費などは飼い主が負担する規則になっているために、避難してきて生活に困窮している方々は支払いに苦慮しているとのことでした。そこで、狂犬病について調べてみました。

狂犬病という病気については日本は清浄国ということで、近年はあまり取り上げられていません日本での狂犬病は1957 年以降発生しておらず、この間、1970 年にネパールで野犬にかまれ発症し死亡、2006年には、フィリピンに滞在中に狂犬病の犬に咬まれ、感染し、ワクチン接種しなかったため、日本帰国後に狂犬病を発症する事例があるのみです。その最大の要因はイヌへのワクチン接種、および検疫制度によると同時に、わが国が島国であるということによるようです。

狂犬病に関するQ&Aについて 厚生労働省

「海外では,狂犬病の疑いのある動物に咬まれるなどして毎年1,000万人ものヒトが暴露後(咬まれてウイルスが身体に入っている可能性のある状況)のワクチン接種を行なっています。海外旅行をする際には,訪問する国の狂犬病流行状況と注意すべき動物種を事前に知って不注意から起こる狂犬病の感染を避けるようにして下さい。」(奈良県獣医師会ウエブサイト狂犬病と世界の発生状況より)

厚生労働省
狂犬病の分布 国立感染症研究所から

 狂犬病はイヌだけではなく、その他の哺乳類もかかる病気です。

また、狂犬病は一度発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気ということで、海外に住む場合にはイヌに噛まれると狂犬病のワクチンプログラムを終える必要があります。

そして、万が一、狂犬病が発生した場合についてはその周辺のイヌはウイルスを媒介する可能性があり、ワクチン接種をしていない場合にはすべて殺処分することにもなっているようです。

また、SNSを見ていると今は狂犬病が日本ではほぼ発症していないために医師も判断がつかないという投稿もありました。

今回の新型コロナによって“感染症の拡大”ということが注目されています。交通機関の発達による人的・物的交流が盛んになってきている現代において、他の感染症などの感染拡大の可能性も広がっています。さらに、ある感染症ではこれまで清浄国であった我が国でもひょっとしたら、再感染のルートができ、汚染される可能性がありますので、検疫をしっかり行うこと、また体制強化することは非常に重要になってきます。

日本国民の生活を守るためにも、今回の検疫での対処は致し方ないのかと思いますが、ウクライナから住民の受け入れをするのであれば、そのあたりの金銭的な配慮も必要になると考えます。

その後、農林水産省はウクライナからの犬について、狂犬病ワクチンを2回接種して一定量の抗体がありマイクロチップで個体の識別ができれば検疫所から出せるとし、一日2回の健康観察や検疫所への報告なども義務付けたと発表していました。  しかし、SNS上などで懸念の声が相次いだため、農林水産省は「緩和ではなく措置に従って対応している」として「義務を遵守してもらえば狂犬病のリスクが増すことはない」と改めて説明しました。ウクライナから避難の犬「狂犬病のリスク増すことない」(2022年4月21日ANN news channel)より

ちなみに沖縄県の狂犬病ワクチン接種率はなんと全国最下位・・・

 狂犬病のまん延を阻止するためには、犬への狂犬病予防注射の確実な接種による免疫の付与が極めて重要です。世界保健機関(WHO)によると、予防注射率が少なくとも70%にすることでまん延を阻止できるとしています。しかしながら、沖縄県における予防注射率(予防注射頭数/登録頭数)は例年50%前後であり(全国平均71.2%:令和2年度)全国最下位です。万が一、狂犬病が本県に侵入した場合、まん延を阻止することが困難な状況です。(グラフは沖縄県ウェブサイトから)当然のことながらペットを含む家族、地域の人や動物を守るためにもワクチン接種は重要になります。普段の生活においても飼いイヌの狂犬病のワクチン接種をしっかりと行うことは必須ですので、どうぞご協力をよろしくお願いします。