先週・先々週とアップし忘れて連チャン投稿です!
沖縄県の観光業は新型コロナの感染拡大により非常に厳しい環境にあります。旅客需要の低下により、県内ホテルの稼働率も大幅に落ちているようです。しかし、高価格帯のホテルの稼働率は高い状況にあると言うお話も伺っております。
これまで沖縄県は、観光入行客数1200万人を目標とする計画等ありましたが、数値目標の指標の見直しを行うことも取り沙汰されています。例えば入域客ではなく宿泊泊数、観光消費額などに重きを置くことも考えられております。
だからこそ、県内で付加価値のついたアクティビティーなどしっかりと高単価の企画を販売するなどどの取り組みが重要視されています。
その中の1つにアドベンチャーツーリズムと言うジャンルがあります。
アドベンチャーツーリズム(以下、AT)とは「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」をいいます(Adventure Travel Trade Associationによる定義)。ATとは旅行者が地域独自の自然や地域のありのまま文化 を、地域の方々とともに体験し、旅行者自身の自己変革・成長の実現を目的とする旅行形態です。(中略)AT旅行者の特徴として、教育水準の高い富裕層の割合が高く、平均で14日間と長期の滞在を好み、アウトドアギア(用具、装備)にもこだわる層が多いことから、経済波及効果が高く、北米・欧州・南米の主要地域ではそれぞれの 国内市場を除く海外での消費額のみで推計6830億ドル(76.5兆円)の経済効果があるとされています。と、非常に高い経済効果もあります。
写真 : Adventure Travel Trade Association
1万米ドルの経済効果を生み出すためには、マスツーリズム(クルーズ等)では100人が必要ですが、ATでは4人の来訪で達成できます。つまり、ATではより環境等へのインパクトを抑えながら、経済効果を生み出すことができます。さらに、マスツーリズムでは消費額のうち、地域に残るのはわずか14%に留まるのに対し、ATの場合には実に65%が地域に残るという調査結果がでています。加えて雇用創出効果もATの方が、1.7倍大きいことも確認されています。(参考 同協会サイトから)
つまり、本土や海外資本の旅行代理店などへの取り分が薄くなり、地元に還元されることで、観光従事者が高所得になりうると考えられます。高単価、少人数と言う事は今叫ばれているサスティナブル(続けていける)という観点から良いと言えます。加えてアクティビティー、自然、文化体験と言う事は 琉球から伝わる文化、県内には「やんばる、西表島、慶良間諸島」の3箇所の国立公園があり、「やんばる、西表島」に関しては世界自然遺産登録もなされておりますので沖縄県に最もマッチするものではないでしょうか。
しかし、そこにはガイドの不足やガイドを結ぶコーディネーターの育成と充実が要望されています。ま た、ゾーニングも必要ではないかとの意見もあります。その取りまとめは地域の行政や観光協会、観光DMO(観光地域づくり法人:次回以降に取り上げます)などが中心となりますが、観光立県として沖縄県全体で方向性を定めるために県行政や沖縄観光コンベンションビューローが調整役として関わらなければならないと考えています。