犯罪被害者支援について

那覇ロータリークラブという会に参加していますが、以前、ちょうどいま時分に会員の弁護士の方から犯罪被害者支援についてのお話を伺いました。

その流れで犯罪被害者支援 ひだまりの会Okinawa の代表にご紹介いただきました。お話を伺い、この会が開催する「生命のメッセージ展」を見てまいりました。

 犯罪被害にあった方はもちろんその犯罪により辛い思いをすることはもちろんのこと、実はその後の生活についても非常に負担を強いられることが多いと言われています。

被害にあった人の精神的、身体の衝撃、自身だけでなく家族にも被害が及ぶこともあります。暴力などを受け たときの記憶は、その後も被害者を苦しめることになります。
そして経済的に困窮することもあります。一家の大黒柱の稼ぎ手を失った場合には遺族は深刻な経済問題に直面します。犯罪によってけがをした人や精神的な支援が必要になった人には治療費もかかります。そして、治療や療養が長引いて長期間仕事を休まなければならないこともあり、それが理由で失職や転職を余儀なくされる場合もあります。

そのためにローンや家賃を払いきれずに不動産や自動車など財産を売却したり、より安い住まいに引っ越したりするなど、これまでの生活を変えざるを得ないこともあるそうです。
直接身体に危害を受けなくても、空き巣に入られた被害者は再度被害を受ける不安に悩んだり、詐欺に合うと金銭的損害に加え「なぜ?自分は騙されたのか」と自分を責める方もいるようです。性犯罪の被害者は、心に深い傷を負い、外に出られなくなるなど安らかに日常生活を送れなくなる人も。
そして、捜査や裁判の調査による時間的な負担ももちろんのこと、その際に犯罪にあったことを思い起こし、精神的な負担を感じてしまうこともあります。犯罪等の被害を受けたことを周囲に知られた際には、周りの方々の励ましや気遣いなどが逆効果となり、生活においても困難を抱えてしまうなど、影響は非常に大きなものになります。

このような犯罪にあって苦しんでいる方々に対して支援が必要であるということで、平成16年秋の臨時国会(第161回国会)において、「犯罪被害者等基本法」が成立しています。以下、警察庁サイトから

同法は、犯罪被害者等(犯罪やこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為の被害者及びその家族又は遺族)のための施策を総合的かつ計画的に推進することによって、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としており、その基本理念として、犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有することなどが定められています。
国・地方公共団体が講ずべき基本的施策としては、例えば、

 

  • 相談及び情報の提供
  • 損害賠償の請求についての援助
  • 給付金の支給に係る制度の充実等
  • 保健医療サービス・福祉サービスの提供
  • 犯罪被害者等の二次的被害防止・安全確保
  • 居住・雇用の安定
  • 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備

 

といった項目が掲げられており、これらを犯罪被害者等の視点に立って実現することによって、その権利や利益の保護を図ることとしています。

これらの施策については、総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱などを定めた「犯罪被害者等基本計画」に基づいて推進していくこととしており、また、この基本計画は、犯罪被害者等基本法の施行に伴い内閣府に設置された「犯罪被害者等施策推進会議」において案が作成され、閣議決定ののち公表されることとなっています。

沖縄県でも昨年(2022年)7月には犯罪被害者等支援条例が定められました。その後に有識者や支援団体などにより審議会がつくられ、その審議会で3月末に県の犯罪被害者等支援計画が承認されました。

その内容は被害を受けた地域からの移転による金銭的な負担を軽減する、各市町村で設置されている対応窓口との情報共有、支援アドバイザーによる講座など80の 具体的対策を明記しています。現在5月策定に向けての最終段階ということになっています。

国としても様々な施策を行っていますので、その施策に合わせて沖縄県としても対応していけるように、今後もこの計画の内容と実効性について確認していきます。しかし、県では条例が作られましたが、実際の窓口となる各市町村においてはまだ条例化がなされていないという現状もありますので、市町村議との連携を行いながら、支援がしっかりとなされるように働きかけていきたいと考えています。

また、被害直後の混乱した時期から、様々な各機関での手続きを余儀なくされますので、被害者支援センターが各都道府県に設置されていますので、情報の周知についても行っていきます。支援センターでの支援活動について

皆様も自分は犯罪被害には合わないだろうではなく「まさか」「万が一」ということがありますので、「犯罪被害者支援」と検索していただき、ぜひ政府広報オンラインページ警察庁のページなどをご覧いただき、支援についての詳しい内容をご覧いただければと思います。

犯罪被害者支援シンボルマーク「ギュっとちゃん」