参院選で「外国人政策」が話題に。―日本人ファーストは差別なのか?ー
今回の参議院議員選挙を通して、「外国人政策」というテーマが突如クローズアップされるようになっています。
移民や労働力の問題だけでなく、文化・教育・福祉といった社会全体のあり方まで、議論は広がりを見せています。
そんな中で、「日本人ファースト」という言葉が使われる場面も増えてきました。
しかし、それをすぐに「外国人差別だ」と決めつける声には、少し立ち止まって考える必要があるのではないかと感じています。
“日本人ファースト=排除ではない”
「日本人ファースト」とは、まずこの国に生まれ、暮らしてきた日本人の生活や福祉がしっかりと支えられることを優先しよう、という考え方であり、決して外国人を排除する意図ではないと、私はとらえています。
例えば、子育て支援、医療、教育、介護など、今の日本社会には支援が届ききっていない層が数多く存在します。
そうした国内の課題に真正面から取り組むことなく、「多文化共生」や「移民の受け入れ」を語るのは、順序が逆ではないかという問題提起なのです。
外国人と共に生きるなら、相互の努力が必要
もちろん、人口減少や人手不足といった課題に対して、外国人の力を借りることは現実的な選択肢の一つです。
しかしその際に重要なのは、単なる「労働力」ではなく、社会の一員として受け入れ、共に生きるという視点です。
そのためには、外国人の方々にも、日本語だけでなく、日本の歴史、文化、生活の風習などを理解し、尊重していただくことが不可欠です。
そしてそれを支援する制度や教育環境も、整備していく必要があるでしょう。
日本人自身も、自国や自分の生まれ育った地域についてもっと学ぶべき
同時に私たち日本人も、「自分の国のや、自分の生まれ育った地域のことを知らなすぎる」のではないかと感じる場面が増えています。
英語やグローバル人材の育成も大事ですが、それと同じくらい、日本語で深く考え、学び、自国、自分の生まれ育った地域の歴史や文化、制度を理解する力が問われています。
母語でしっかりと議論し、社会の課題に向き合うことこそが、真の国際人への第一歩だと思います。
選挙は「日本の未来」を考えるチャンス
今回の選挙は、単に誰を選ぶかというだけではなく、日本の未来のあり方をどう描いていくかを考える重要な機会ではないでしょうか?
日本の制度、対外関係、財政、税制、教育と言った、あらゆる問題がつながっています。
「外国人をどう扱うか?」ではなく、
「どんな国として、誰とどう生きていくか?」
その根本を見つめ直すタイミングなのかもしれません。

